「子供にとっては、親の生き方こそ最高の教材になる。
子供は、『親の言う通りにはしないが、親のする通りにはする』から」
(ジョセフ・マーフィー、牧師、アイルランド)
子どもの性格が悪いのは親のせいである
良く言われる言葉ですが、親としては認めたくないですよね。
周りの友達が悪い子ばかりだからだ、とか、おじいちゃんおばあちゃんがワガママを聞いてあげすぎたからだ、とか、色々と反論はあるでしょう。
では、この言葉は的外れでしょうか?
途方も無い嘘や方便でしょうか?
結論から言います。
子どもの性格が悪いのは、90%くらいは親のせいです。
そんなはずはない、と反発するかもしれません。でも、ご自分でも内心は薄々気付いているのではないでしょうか。
子どもの性格は遺伝する?
行動遺伝学によると、性格の40%は遺伝による影響を受けます。
この「遺伝による影響」というのは、~~【遺伝なんて関係ない】頭の良い子の育て方~~でも書いた通り、親の性格が悪いから子どもの性格も悪い、というものではありません。
遺伝は、両親の様々な遺伝子が複雑に交わって決定されます。
なので、子どもがどういう遺伝的性格を持っているかは、現在の科学では親の性格から詳細に推し量ることは出来ません。
また、詳しくは上記記事を読んでいただければと思いますが、遺伝による影響が40%というのは、40%が既に決まってしまっている、というわけではありません。
そして、私は行動遺伝学の研究結果を信頼していません。研究方法は理解できるのですが、遺伝による影響を導くには、あまりに不確定要素が多く、研究結果として結論付けるのはやや無理があると思っています。
但し、人は生まれながら全く同じ性質を持っている、なんて言うつもりもありません。
当然人によって向き不向きや、性質には違いがあることは、実感として皆さんも持っていると思います。
そして、この遺伝的要素は、生まれ持った素質であり、両親のせいであることは間違いありません。
そして、子供を良く観察し、良く接し、遺伝による素質(どういうことに向いているか、どう導けば良い子に育つか)を見極めることもまた、子供を作った親の役目です。
環境による性格への影響
遺伝以外に何が性格に影響しているかというと、環境です。
では、この環境とは何かというと、子どもが見る、接する世界です。
前の記事でも書いたように、シングルエイジの前半、6歳くらいまでは、子どものシナプスの増加量は桁違いで、外界からの刺激を受けてどんどん物事を覚えていきます。
「子どもはスポンジのように吸収する」とか、「インプットが大事」と言われるのも、それが理由でしょう。
そして、子どもが見る、接する世界の大半には、親がいます。特に小さい頃は、親がいる世界が全てです。
勿論、お友達や兄弟姉妹、それ以外の家族もいるでしょう。
ただ、その接し方を教えたり、よそで得た知識や体験をどう消化するかを導くのは親です
。
「今日こんなことがあって・・」という子どもの話を聞き、「その時どう思ったか」、「どうしたら良かったか」を説いて、本人の経験として根付かせていくのは、基本的には親でしょう。
従って、性格が環境により影響を受ける部分についても、9割くらいは親の影響と言えるでしょう。
実際には、上で書いたように、遺伝と環境は相まって子どもの性質を形作っていくものです。
つまり、性格のうち、遺伝の影響がどれくらいかはわからないが、遺伝子を形成したのもその素質を見抜いて導くのも、環境を作って幼児期にお手本となるのも、9割くらいは親のせいです。
ただ、これで終わっては意味がありません。
では、どうやって子供の性格を良くしていくか、ここからが本題です。
二つの性格改善方法
どうすれば良いか、それは、上に書いてきた根拠から考えれば、単純明快です。
すなわち、
1、遺伝に関しては、変えようがないので、子どもがどういう素質(性質)を持っているか、良く観察して、子どもに合った方法を考えること。
2、環境に関しては、親を見て育つので、親が行動で手本を示してあげること。
必要なことはこれだけです。
といっても実際にどうすればいいのか、というのが難しいところですよね。
具体例を挙げましょう。
私は、片付けが苦手です。
携帯を置いた場所も忘れるし、読んだ本も読みっぱなしなことが多々あります。
そして、うちの子どもはというと、やはり片付けが苦手です。おもちゃは遊んだそばから次のおもちゃを引っ張り出します。
「片付けてから次の遊びをしよう」と何度も言っていますが、なかなか響きません。
一方、洗濯をたたむのは、我が家では手が空いている人の仕事になっています。誰も強制しませんし、誰かがやってくれたら「ありがとう」と言います。途中で手が空けば自然と誰かが手伝います。
そして、子どももその例外ではありません。遊びの切れ目が良いタイミングで、誰かがやっていたら子どもは畳んでくれます。まだ幼稚園生の頃から、全員分カテゴリ分けして畳んでくれたこともあります。
こんな感じです。
これは何をやるにしても同じです。
片付けも洗濯畳みも、挨拶も、人を思いやる優しさ、几帳面さ、言葉遣いも、全て同じです。
繰り返しますが、子どもには行動で見せることが大事です。
耳が痛いと思われるかもしれませんが、「性格が悪い」と子どもを叱って直そうとするより前に、まず自分の言動を見直しましょう。
反面教師で勝手に育つのでは?

「子どもは反面教師で勝手に育つ」と言う方もいるかもしれません。
しかし、考えてみて下さい。
反面教師は、それを「悪い、ダメなことだ」と思える基礎が育っていないと成立しません。
親の間違った行動を見て反対行動をするのも、何が正しい、あるべき行動か、どういう行動をすれば周りも自分もハッピーになるかということがわかっているからです。
そして、その基礎を教えるのも親の役目です。
なので反面教師だけでは子どもは育ちません。
こういうと難しく感じるかもしれませんが、常に高潔であらなければ、なんて肩肘張る必要はないです。
ただ、子どもも常に大人と同じ世界を生きていて、同じ空間を共有して、大人以上に物事を吸収していっている、ということは認識しておきたいものです。
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