今日は、転職した時に読んでいた小説の中で、現状に悩んでいる人、転職を考えている人に読んでほしい、オススメのものを紹介します。
今振り返ってみると懐かしい。
勇気をもらえる作品ばかりなので、是非読んでみてもらえればと思います。
今が辛くて、現実逃避や妄想が多くなってきた時
萩原浩 「あの日にドライブ」
主人公は、銀行を退職してタクシードライバーになった、プライドの高い中年男性。
当面の生活費を稼ぐために仕方なしにやっている仕事には身が入らず、プライドの高さと現実のギャップを上手く消化できずに、家庭でも浮いた存在に感じてしまう。
そんなある日、昔の恋人の実家近くを通ったことから、「その恋人と結婚していたら」というもう一つの人生を夢想しますが、いつしか、目の前の仕事や今の自分と正面から向き合うようになり、、というストーリーです。
これは現状を見つめ直して肯定してみる、という話。
繰り返しの日常に嫌気が差し、非日常を求める気持ちもわかるけど、その時々で自分なりにベストな選択をして、自分で選び取ってきた現在なのだから、もう少し現状を愛してみよう、と。
「隣の芝生は青い」という言葉もあるが、実際にそんな理想だらけで全てがうまくいく人生なんかなくて、苦労しながら、工夫して人生を楽しむ努力をすれば、また少し見方を変えれば、現在の自分の人生も悪くない。
そんな話です。
萩原浩さんは、『会社のために死ぬな』というメッセージを込めた「神様からひと言」や、若年性アルツハイマーをテーマに、渡辺謙さんが読んで映画化を直訴した「明日の記憶」など、有名な作品が多いです。
この作品は、上で書いた通りの内容で、自分が転職を本気で考える少し前に読みましたが、現状を見つめ直すいい機会になりました。
結果的に転職するにしても、嫌なまま逃げて辞めるのではなく、今の仕事に楽しさを見出して、それでもやりたいこと、大事にしたいことが他にあるから、笑って辞める、という気持ちになる一助になった小説ですね。
現状が苦しい人は、まず第一段階として読まれることをオススメします。
そして同じく萩原さんの「メリーゴーランド」で転職した気分を味わえばもう完璧ですw
今の仕事から具体的に転職を考えている時
垣根涼介 「君たちに明日はない」
山本周五郎賞を受賞した作品でもあります。
余談ですが、電車でこの本を読んでいたら、就活生らしきリクルートスーツを着た若者に何度かガン見された記憶がありますw
ちょっと刺激の強いタイトルで申し訳なかったなと思いますw
実際には、今の会社における明日はなくても、別の会社や生き方における明日がある、という意味だと思ってます。
リストラを請け負う会社に勤める主人公が、色んな企業でリストラしまくるのですが、その登場人物を通して、読者は自分の仕事観や生き方を考えられるお話です。
特にお気に入りなのは、音楽プロダクションにおいて、二大音楽プロデューサーのうち一人をリストラしなければならない、という話で、自分の仕事の姿勢を考えさせられました。
垣根さんの本は、ハードボイルド系のものが多いです(ヒートアイランドや続編のギャングスター・レッスン、同氏の作品で一番有名だと思われる、ワイルド・ソウルも面白い)が、本書もシリーズ化されています。
車に造詣が深いのか、車へのこだわりが随所に感じられますがw、興味ない人も流せる程度で、誰でも簡単に話しに入れます。
ということで、これは、転職において、現状を工夫するという第一段階を経て、自分が本当にやりたいことを自分自身に問いかけ、行動に移す時に支えになってくれる小説です。新しい道に進んだって良いんだと。
おまけ
北川恵海 「ちょっと今から仕事辞めてくる」
これはめちゃめちゃ売れたライトノベルですが、さっくり読めます。
内容的には、社会人としてはツッコミどころ満載ですw
舞台は明らかな言葉の暴力がある職場なのですが、現実で起こっているのは、わかりやすいパワハラだけではなく、何となくの長時間労働が当たり前の雰囲気になっていることが、日本の問題なので、ここに一石を投じて欲しかったです。
また、主人公は1年目で辞めてしまうのですが、もう少し現状で工夫の仕様がなかったのか、と思います。
この本がこれだけ売れて共感を得たということは、それほど多くの新卒が就職先選びを間違えているのか、と不安になりますw
でもとにかく、絶対無理だと思ったら、辞めても良い。命より大切なものはない、というメッセージは受け取って損はないかと思います。
長々と書いてきましたが、自分と同じ社会人の皆さんが、自分が幸せと思える人生を選ばれることを祈ってます。
自分もまだまだ道半ばですが、一度転職した身ですし、これからも常により良い道を探して歩いていこうと思ってます。
ではでは。
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